2013年9月 6日 (金)

ハチはなぜ大量死したのか(果物も野菜も無い想像を絶する世界に向けて)

Photo ハチはなぜ大量死したのか (文春文庫)
(2011/07/08)
ローワン ジェイコブセン、福岡 伸一 他

ハチが大量死したというニュースは日本でも流れたので、気にはなっていたが、それっきりだった。本屋で見つけたこの本は、その真相が解説してあると期待して手に取った。

読み出してびっくりしたのは、ミツバチの役割が想像を絶する程多岐に渡っていることだ。リンゴに梨、桃、ブドウを始めとする多くの柑橘類、キュウリ、ナス、カボチャ、レタス、植物由来の食物のほとんど全てが、昆虫を中心とした受粉活動によって生産されている。この活動の中心がミツバチ達だったのだ。肉でさえ、牛が食べる草はやはり彼らの受粉によって支えられている。これは驚くべき事だし、人類としては正確に知っておくべき事だろう。つまり、ミツバチが居なくなると、これらの食べ物は食卓から完全に姿を消すと言うことだ、果物も野菜も無い世界、想像を絶する世界だ。

現代ではこの作業のほとんど全てを、人間の育てる、養蜂のハチ達(西洋ミツバチ)が担っているそうだ、このハチ達の1/4が2006年の秋きに、北半球から忽然と消えた。ハチはどこに行ったのか、ハチは死んだのだ、大量のハチは何故死んだのか、その原因の探るのがこの本の主題だ。ミステリーはネタをバラしては面白くないので、ミステリーに興味のある方と、食卓から果物や野菜が消滅するのが嫌だと思った人には、是非本書を読んで頂きたいと思う。

本書は本論も読み甲斐があるのだが、サイドストーリーも面白い。後半には日本ミツバチの話が出てきて、当時の石破農水大臣との会談が出てきたりする。また、銀座の真ん中で養蜂をする「銀座ミツバチプロジェクト」話も出てくる。商業プロではない、アマチュア養蜂の話も出てくる。私もやってみたくなった。お袋が生きていたらまちがいなく夢中になったような趣味だ、

筆者は、自然保護派にありがちな、オー−バーでカルトのような、自然礼讃一歩やりの、嫌な後味の語り口では無く、科学的で冷静な観察と事象の積み上げて、事実を淡々と追って行く。

なにはともあれ、本世に出てくるミツバチはあまりにも可愛い、かくも可愛い者達の健康な営みを、維持できないとしたら、地球に未來などあり得ないだろう。その内、我が家のベランダに養蜂箱が置いてあるというのは、全く無い話では無いかも知れない。私も幼少の頃は、将来生物学者になると確信していた時期もあったことだし、、

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2007年1月26日 (金)

成長の限界 ローマ・クラブ人類の危機レポート

不都合な真実を見てから、今から35年ほど前、この本に衝撃を受けたことを思い出した。
35年間、目をつぶってきたことが、遂に顕在化してきたということだろう、
出来るだけ多くの人に「不都合な真実」を見て考えてみてほしいと思う、だから自分で何をするかは、これからなのだが、、
200701297

成長の限界 ローマ・クラブ人類の危機レポート

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ローマクラブ(Club of Rome)は、オリベッティ社の副社長で石油王としても知られるアウレリオ・ベッチェイ(Aurelio Peccei)博士が、資源・人口・軍備拡張・経済・環境破壊などの全地球的な問題対処するために設立した民間のシンクタンクで、世界各国の科学者・経済人・教育者・各種分野の学識経験者など100人からなる。1968年4月にまず立ち上げのための会合をローマで開いたことからこの名称になった。組織の正式発足は1970年3月。
定期的に研究報告を出しており、第一報告書『成長の限界』(1972年)では現在のままで人口増加や環境破壊が続けば、資源の枯渇や環境の悪化によって100年以内に人類の成長は限界に達すると警鐘を鳴らしており、破局を回避するためには、地球が無限であるということを前提とした従来の経済のあり方を見直し、世界的な均衡を目指す必要があると論じている。その続編『限界を超えて?生きるための選択』(1992年)では、資源採取や環境汚染の行き過ぎによって21世紀前半に破局が訪れるという、更に悪化したシナリオが提示されている。その後、環境・情報・経済・教育などのテーマの報告書が引き続いて刊行されている。なお、日本語版はダイヤモンド社から刊行されている。

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2006年2月28日 (火)

カーラのゲーム

200602281
カーラのゲーム上/下
創元ノヴェルズ
ゴードン・スティーヴンズ/著 藤倉秀彦/訳
出版年月 2000年1月
ISBNコード 4-488-80133-1
裏表紙解説では、ルフトハンザ航空3216便がテロリストにハイジャックされた。人質奪還のためにヒースロー空港に待機するSAS隊員フィンの胸中をよぎる疑い—リーダーは彼女だ。いや、それはありえない。彼女はもう死んでいるんだ。しかし—。1994年冬、内戦に揺れるボスニアで、ひとりの女とSAS隊員を結んだ運命の交錯。それが十か月後、ヨーロッパの空に新たな戦いの火蓋を切る!重厚な筆致で物語る感動の冒険小説巨編、ここに登場。

2000年にこんな本が出ていたとは、最近ちゃんと読んでないことがばれてしまう。ここ数年で読んだ最高に面白い本になった。スティーヴン・ハンターの「極大射程」以来の感動と言ったら言い過ぎか!?
カーラという女性の生き様があまりに格好良い、行動や表情が目に浮かぶような文体も凄いと思う。ハイテクスリラーや冒険小説ジャンルでは、女性が添え物になってしまったり、だだのお馬鹿に描かれたりしがちだが、この小説では主役となって生き生きと活躍する様が凄い。しかも彼女はイスラムのテロリスト役だ!こんな無理な設定なのに感情移入できて、最後まではらはら目が離せない。ミュンヘンでパレスチナ問題とテロリズムの歴史を学んだばかりでタイムリーな時に、ボスニア内戦とテロリストの話を読んで堪能しました。お薦めします。

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2006年2月27日 (月)

ミュンヘン—オリンピック・テロ事件の黒幕を追え

200602271ミュンヘン—オリンピック・テロ事件の黒幕を追え
マイケル・バー=ゾウハー&アイタン・ハーバー 著 横山啓明 訳
ISBN 4-15-050304-4
裏表紙の解説、1972年9月、ミュンヘン・オリンピックの選手村をパレスチナ・ゲリラ“黒い 九月”が襲い、イスラエル選手団の11人を惨殺した。イスラエル政府は報復を 決意、情報機関モサドが暗殺チームを組織し、“黒い九月”の幹部を次々と抹 殺し始める。スパイ小説の巨匠が、衝撃のテロ事件とその後の復讐を克明に再現し、アラブとイスラエルの対立の原因と歴史を明らかにする。スピルバーグ監督映画『ミュンヘン』の背景を描いた話題作。

前に読んだ「標的は11人-モサド暗殺チームの記録」は暗殺実行者の視点で書いた作品だったが、本書で取り上げられるのは、パレスチナ問題の根源なども含む広範な物語。私はイスラエルの中東戦争の話はかなり読んだが、その陰にあったパレスチナ問題に付いてちゃんと読んだのは初めてで新鮮だった。物語は黒い九月の中心人物、レッド・プリンスことアリ・ハッサン・サラメを中心に、彼の父親のハッサン・サラメから面々と続く、ユダヤとの争いが綴られ る。
本書を読むと、パレスチナ問題の一つの解説がわかりやすく理解できると同時に「標的は11人」で暗殺される標的の役割も語られる。書物を抱え紳士然とし て無害に見える標的が、いかに残忍な事を行ったのかが描かれる。
また「標的は11人」ではイスラエルの直接支援は全く無いかのような語り口だ ったのが、本書では全面的な支援が行われた事を暗に示唆しているように思える。「標的は11人」のルイグループは実はモサドの事だったのかもしれない。 イスラエルに非難が集中しないように作り上げられた架空のグループという印象が強くなる。

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2006年2月 1日 (水)

標的は11人-モサド暗殺チームの記録

200602011_3標的は11人
-モサド暗殺チームの記録-
G.ジョナス 著 新庄 哲夫 訳
近日公開の映画「ミュンヘン」の元になった話である。週末には映画の「ミュンヘン」見に行く予定なので、予習のために読んでみた。

裏表紙の説明では「1972年9月、PLOの過激派「黒い九月」がミュンヘン五輪選手村を襲撃し、イスラエル選手団の一部を虐殺した。激怒したイスラエルの秘密情報機関モサドは暗殺チームを編成し、アラブ・テロリスト指導部の11人を次々に消して行く……。今は本名を変えて米国に住む、元暗殺隊長の告白に基づく凄絶な復讐の記録。冷徹な組織の論理と揺れ動く個人の心理をドラマチックに描出する。」とある。

このタイプのノンフィクションは大好きだから一も二もなく読んでしまった。本物の工作がいかにドジだらけか、金が湯水のようにかかるかがよくわかる。純粋に技術的観点から見ると、911はこの比では無い位掛かっているのだろうが、かなりうまくいったテロということになろう。

この工作が成功なのか失敗なのかはともかく、根っからの殺人者でも無いものが、いきなり丸腰の人間を殺すことの難しさを教えてくれる。フィクションにはない、後味の悪さや、ドジさ加減が、本ものっぽさを醸し出している。

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2005年12月16日 (金)

神は銃弾ボストン・テラン

200512161_1神は銃弾 文春文庫
ボストン・テラン著 田口 俊樹 訳
憤怒—それを糧に、ボブは追う。
別れた妻を惨殺し、娘を連れ去った残虐なカルト集団を。
やつらが生み出した地獄から生還した女を友に、憎悪と銃弾を手に…。
鮮烈にして苛烈な文体が描き出す銃撃と復讐の宴。
神なき荒野で正義を追い求めるふたつの魂の疾走。
発表と同時に作家・評論家の絶賛を受けた、イギリス推理作家協会最優秀新人賞受賞作。

娘をカルト集団にさらわれた、元警官が、カルトを抜け出した、ジャンキーの女と共に娘を追う。
ストーリーは単純だが、これが凄くパンク、
最初の1/3は何度か投げ出しそうに、
途中の1/3はだんだん嵌ってきて、
最後の1/3はあっという間、
久しぶりに、当たりを引いた、というか、衝撃を受けた。

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